解散に至った経緯

創始者としてのNPOいきいきネットとくしまの20年の歩みを振り返ってみました。

♪ 風  

いきいきネットとくしまは、2003年9月25日、徳島市山城町の珈琲美学(現コーヒーワークス)に有志16名が集まり任意団体としてスタートしました。以来、約20年間、徳島大学の大きな支援と、総務省、徳島県、徳島市などとの連携のもと、これまでになかった新しいモノ・コトに会員が一丸となって取り組みました。数々のワクワク・ドキドキを生み出しました。それは心地よいイキイキ風でした。その風に吹かれてみんな幸せで満足でした。

これまでになかった新しいモノ・コトとは、従来のIT講座(パソコンやインターネットの操作方法だけを勉強する)をあらため、人と人がつながること、輪になること、励ましあうこと、学習成果を、生きる力に変え、地域に役立てていく、あるいはチャレンジに変えていくにはどうしたらいいのか? それを教え合う・学び合う地域創生型の情報通信技術(ICT)の利活用講座の展開でした。

???? 積み上げ
いきいきネットとくしまはNPO(特定非営利活動法人)として20年を経ました。足跡はしっかり残っています。人材も多数輩出しました。

■アクシデント
そんななか、襲いかかってきたのがコロナ禍でした。地球規模のことで、我々だけの問題ではありませんでしたが、いきいきネットとくまにとっても大きな打撃でした。ニューノーマルを強いられ、リモートの利点を(やむをえず)学ぶというプラスもありましたが、突如、生き方や組織の今後を考える岐路に立たされたことは間違いありません。

■社会の高齢化
同時に、いきいきネットとくしまの20年の歩みは日本の高齢化の大波を感じざるを得ないものとなりました。地方の特性、徳島県の人口減少に歯止めをかけられない実情など含めて、若い世代を誘い入れることができず、会員の平均年齢は上昇の一途を辿りました。

■組織の老化
こうした現状に最も影響を受けたのは理事会でした。自分事として、積極的に運営に携わろうとする会員は少なく、日本的美徳なのかもしれませんが、様子ながめな姿勢が続きました。社会連携した企画づくり、他地域との交流、組織の将来展望にアイデアしたり、ボランティアを楽しむ、アクション起こす、そんな設立当初の活動は影を潜めていました。

????理事長交代の決意
徳島に新しい風を吹かせ、20年を積み上げ、一定の役割を果たした本会にとって、1番の未来は「組織の持続」です。創始者としての願いでもありました。そこで、私は、68歳の誕生日(2021年9月25日)に「70歳になったら理事長を降りる」ことを2年の時間的余裕を持って表明。いきいきネットとくしまの真価として、新理事長のもと、理念と活動の承継を会員にお願いしました。

しかし、次期理事長に名乗りを挙げる人はいませんでした。いきいきネットとくしまへの期待はあるにしても、後継者不在の実情を思い知ることになりました。

????潮時

一方で、ちょうど良いタイミングかとも思いました。これ以上この状態でこの組織を引き摺っても、後に残る人が困るだけです。そこで幕を降ろすことを理事会決定しました。

????最後のワクワクドキドキ
締めくくりの記念に本屋の店頭に並ぶ本をつくり出版しませんか? タイトルは「徳島いきいき物語」。そして、2023年9月25日に、出版記念パーティを兼ねた、「ありがとう!いきいきネットとくしま」を盛大にやりませんか? そんな呼びかけをしたのがこれを作文し、総意を確認した、2022年10月10日のことでした。

2022年10月10日

特定非営利活動法人いきいきネットとくしま
理事長、創始者 吉田  敦也(よしだ あつや)